「毎月、タイムカードの『9:00』『18:15』という数字をExcelに打ち込んでいる」
「電卓を叩いて残業時間を計算しているが、合っているか不安で何度も検算する」
そんな中小企業の社長・経理担当者の方へ。
その作業、「Excelにただ数字を入れるだけ」で終わるようにしませんか?
多くの現場では、
- 紙のタイムカードを見る
- Excelに転記する
- 「18:15 – 9:00 – 休憩1時間 = 8時間15分…残業は15分…」と手計算
- 給与ソフトに入力
という「アナログとデジタルの反復横跳び」が行われています。
これでは時間がかかるだけでなく、
「端数処理のミス」や「割増賃金の計算漏れ」といった労務リスクにもつながります。
この記事では、高価な勤怠システムを入れなくても、
「ExcelとAI(ChatGPT)を使って、勤怠集計から給与計算までを半自動化する仕組み」 の作り方を、
ITが苦手な方でも分かるように解説します。
目指すゴール:数字を入れたら「支給額」まで勝手に出る
目指すのは、「計算ロジック(数式)」を一度作ってしまい、毎月は使い回すという状態です。
【Before】
- 毎月、電卓で「所定時間」「残業」「深夜」などを計算している。
【After】
- 毎月やるのは「出勤・退勤時刻」を入力するだけ。
- Excelが勝手に「残業◯時間、深夜◯時間、支給額◯円」を算出してくれる。
- 給与ソフトには、その合計値を転記するだけ。
これを作るのに、複雑なExcel関数を覚える必要はありません。AIに作らせればいいのです。
STEP1:勤怠データの「入り口」を1つにする
まず、バラバラになっている情報をExcelの1シートに集めます。
「タイムカード(紙)」を使っている場合は、
まずはタイムカードからExcelへの転記作業からスタートです。
しかし、将来的には紙のタイムカードではなく、
Excelへの入力やタイムカードシステムの導入を検討しましょう。
【推奨フォーマット(Excel)】
| 日付 | 氏名 | 出勤時刻 | 退勤時刻 | 休憩時間(分) | 所定内時間(時間) | 残業時間(時間) | 深夜時間(時間) | 休日労働(時間) |
|---|
| 2025/04/01 | 山田太郎 | 09:00 | 18:00 | 60 | 8.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 2025/04/01 | 佐藤花子 | 13:00 | 22:30 | 60 | 7.0 | 1.5 | 1.5 | 0.0 |
STEP2:労働時間の「ルール」を言葉にする
ここが一番のポイントです。
AIに依頼を書こうとする前に、「ウチの会社の計算ルール」を箇条書きにしてください。
【ルールの言語化(例)】
- 所定労働時間:8時間(休憩1時間除く)
- 残業時間:実働時間が8時間を超えた分
- 深夜時間:22:00〜翌5:00の勤務分
- 休日労働:日曜・祝日の勤務分
- 端数処理:1分単位
このメモさえあれば、AIへの指示出しは9割完了です。
STEP3:ChatGPTに「計算式」を書かせる
「残業時間の計算式、どうやるんだっけ…IF関数?MAX関数?」 と悩む必要はありません。
そのままAIに聞きましょう。
以下のプロンプト(指示文)をChatGPTに投げてみてください。
📋 勤怠計算式の作成プロンプト(コピペ用)
Excelで勤怠管理表を作りたいです。
以下のルールに基づき、「所定内時間」「残業時間」「深夜時間」を自動計算する数式を教えてください。
■シート構成
・C列:出勤時刻(例 9:00)
・D列:退勤時刻(例 18:00)
・E列:休憩時間(分単位、例 60)
■計算ルール
1. 実働時間 = 退勤 - 出勤 - 休憩
2. 所定労働時間 = 8時間
3. 残業時間 = 実働時間が8時間を超えた分
4. 深夜時間 = 22:00以降の勤務時間
■やりたいこと
F列に「所定内時間」、G列に「残業時間」、H列に「深夜時間」を表示したいです。
そのままセルに貼り付けられる数式を提示してください。
これを送信すると、 =IF((D2-C2)*24-E2/60 > 8, 8, ...) といった複雑な数式を、
解説付きで教えてくれます。 あなたはそれをF列、G列、H列にコピペするだけです。
STEP4:給与計算用の「集計シート」も作らせる
日々の計算ができたら、
次は「月ごとの合計」と「給与概算」です。
これもAIに頼みましょう。
「この勤怠シートをもとに、氏名ごと・月ごとの『残業時間合計』と『給与支給額(時給×時間×1.25倍など)』を集計するピボットテーブルの設定方法、またはSUMIFS関数の式を教えて」
と聞けば、一瞬で答えが返ってきます。
これで、 「月末にシートを開けば、全員分の給与計算が終わっている」 という状態が完成します。
⚠️ プロのコンサルタントからの重要アドバイス
AI活用は強力ですが、給与計算は「法律(労働基準法)」が絡むデリケートな領域です。
以下の2点は必ず守ってください。
1. 就業規則との整合性チェック
AIが作った計算式が、自社の就業規則や雇用契約書(変形労働制、みなし残業など)と合っているか、必ず確認してください。 不安な場合は、作成したExcelを顧問社労士に見てもらうのが確実です。
2. 「端数処理」のルール
「残業代は1分単位で払うのが原則」ですが、会社によっては「15分単位で集計」などの運用をしている場合もあります。 この「端数処理のロジック」もプロンプトに含めないと、数円〜数百円のズレが生じる原因になります。
まとめ|「計算」はAIに、「チェック」は人間に
- タイムカードと電卓での計算は、今すぐ卒業できる。
- Excelに「計算ロジック」さえ埋め込めば、毎月の作業は入力だけになる。
- その複雑なロジックは、ChatGPTに言葉で説明すれば作ってくれる。
「給与計算のために月末はどこにも行けない」 そんな縛られた状態から解放され、本来やるべき経営やマネジメントに時間を使いましょう。
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毎月の「電卓地獄」を、ここらで終わりにしましょう。
